あなたにとって人間の一生など束の間のことだから
わたしの腕が上がらなくなるまでに
精一杯あなたを抱き締めておこうと思ったのです。

そう言ったら、

「おまえの腕が上がらなくなったなら
おまえの腕が動かなくなるまで
私がおまえを抱き締めていてやる。」

ありがたき幸せです、エルフ王。

「いい加減、名前で呼ぶことに慣れろ馬鹿バルド。」

絡みつく腕はその外見からは想像もつかぬほどに力強い。
願わくば、この幸福が常しえでありますように。

 

 

  

 

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